恵まれた環境

モーニング娘。」ってどんなグループなんだろ?マコっちゃん(小川麻琴)が卒業して、私自身が娘。たちから距離を置いてから此の方ず〜っと頭の片隅にこびりついていた疑問。

私の中で絶対的に譲れないのは『モーニング娘。=歌手』というコト。いや、私が抱いている幻想、もしくは妄信しているのは…というのが本当のところかな?たとえそれが「アイドル歌手」であったとしても歌を歌うことが第一であることが「モーニング娘。」であって欲しいのです。



で、彼女たちが「モーニングコーヒー」でデビューする遥か前から、その歌に対する弛まない努力を私たちに魅せてくれていた『ASAYAN』という番組を今見ています。丁度デビュー曲の候補曲が3曲あってオリジナルメンバーの5人が仮レコーディングして、だれがメインを歌うか?という緊迫した放送でした。


いや〜これ凄いですね、なんかドキドキする。たった2日しかないレコーディングに体調を崩して淡々と(しかし内心すごく)悔しがっている福田さんとか、うまく歌えずに思わず泣いちゃう中澤姐さんとか、絶対の自信を持ってた1曲を石黒さんが自分より旨く歌ってしまって(と思って)廊下(?)で泣いちゃう安倍さんだとか、3曲のうち2曲でメインを取ったのに、次の日(つんく♂の鶴の一声で)最悪の結果に終わってうぇ〜ん泣きしちゃう飯田さんだとか。なんだか『やるか、やられるか』の真剣勝負の世界です。


よくよく考えれば、彼女たちは「ソロデビュー」を目指して戦ってきたライバルであるわけですから、自分が少しでもパートを奪い取る!という想いが強く出るのは当然ですよね。同じパートをほかのメンバーが目の前で歌うのですから、ちょっとでも気を抜いたり、自信が揺らげば一瞬にしてメインを持っていかれるという凄いプレッシャーを感じながらの歌撮り。だからでしょうか?私の中ではあまり好きな部類に入らない「モーニングコーヒー」という曲がメッチャ魅力的に聴こえるんですよ。仮レコーディングだからちゃんとしたエフェクトも入ってない歌声なのに、いや、そんな「生の歌声」だからこそ『あぁ〜、今確かに彼女たちが歌ってるなぁ』という存在感を感じられるんですよ。


今思うと、あの時期の「娘。」って凄く恵まれてたなぁ〜と思います。仲間だけどライバルであるメンバーと毎曲ごとにメインを賭けて競い合うのは凄く辛いだろうけど、そんな彼女たちの気持ちは「ASAYAN」を見ていたファンに充分過ぎるほど届いていたでしょうね。あの放送を見れば嫌でも応援したくなっちゃうんじゃないか?と。



今の「モーニング娘。」の歌声に、そんなストーリーを想像させるような力強さが(少なくとも私には)感じられないのが少し残念です。これから先、せめてその「片鱗」だけでも垣間見せてくれる時が来ればいいんだけど……